せかいのこどもたち

先日かみさんと天神を歩いていると、西鉄福岡駅横で街頭募金をしていた。
哲郎くんという子が心臓の難病なのか、おもに高校生くらいの女の子たちが懸命に声を張り上げている。
「哲郎君」となんとなく声にだして読んでみると、じわじわっと何かがこみあげて何かしたくなった。
いつもは、そういったことにいちいち力を貸していたらきりがなく、みんなに行き渡るわけではないので結局不公平になるからと、何もしないでいた。
今回は何かが違った。声に出してみたことで、無関係ではなくなったと感じたのかもしれない。
立ち止まって少し考えて、財布の中の小銭だけを募金箱に入れた。
街頭では自分の意思で協力したのは初めてかもしれない。


その翌日、会社の帰りに両親の家に熊本旅行のおみやげを渡しに寄った。
妹がバスケの試合とかで娘二人を母に預けており、元気にはしゃぎ遊んでいた。
もちろん私には姪っこである。ずいぶん久しぶりに会った。
「バイバーイ」と言ってその無邪気な笑顔に見送られた帰り道、ふと思った。

私たち夫婦には子供がいない。少しの間、不妊治療をしたりもしたが、考えてみると苦しい思いをしてまではいらないかなという結論に達した。子供がいないからこその幸せもあるし。
だからせめてフォスターペアレントになってみた。ボリビアに女の子のチャイルドがいる。

そういったいままでの経緯を考えると、自分の気持ちがわかった気がした。

おれはみんなのおとうさんになりたいんだ

いままでのことはすべてそのための準備だったのかもしれない。
子供がいないからいろんな子に関心がいくのかもしれない。たしかにそうかもしれないが、たぶん、ちがう。
すべての子供を愛しているから、自分の子供は必要ないのだ。いたらその子は、おとうさんの愛情が自分だけのものでないと知ったらきっと寂しいだろう。

そういうことか。なるほど。
それですべてつじつまが合う!(私のお気に入りのフレーズ)

そんなわけで、これ、広めてください。よろしく。